近年日本を訪れる外国人旅行者は大きく増加しています。
日本政府観光局(JNTO)によると、2025年4月の訪日外客数は390万人超で、前年同月比では28.5%増となり、過去最高であった2025年1月を上回り単月過去最高を記録しました。
そんな外国人旅行者の増加に伴い、美容サロンへのインバウンド需要も高まっています。
しかし、自分のエステサロンで外国人旅行者を受け入れようと思うと、言語の壁や文化の違いなど考えておかなければいけないことが沢山あります。
ご予約いただいたお客様が外国人旅行者だった場合、施術当日に慌てないためにも、事前に準備を行い、受け入れ態勢を整えておくことが大切です。
この記事では、エステサロンにおける外国人旅行者の受け入れ準備や、インバウンド需要について考えておくべきこと、オススメの事前準備についてお伝えしていきます!
もくじ
外国人旅行者から見た“日本のエステサロン”とは?
まずは、外国人旅行者の方にとって日本のエステサロンはどのような位置づけであるか、ホットペッパービューティーアカデミーが2024年9月20日に発表した「美容サロンにおけるインバウンド実態調査」の結果から紐解いていきましょう。
日本の美容サロンの利用意向に関する調査で、訪日外国人旅行者の50.2%が日本の美容サロンを利用したいと回答しています。
さらに、外国人旅行者が日本で行ってみたい美容サロンとして、「マッサージ・リラクゼーション施設」が最も人気で37.7%、次いで「エステティックサロン・ホテルスパ」(22.9%)が2位という結果でした。
旅行中の疲れを癒したりリフレッシュする場所としての期待が高いことがわかります。
また、外国人旅行者が美容サロンで支払ってもよい1回あたりの金額の平均は1万4,033円と高い傾向にあり、売上アップにつながる可能性が高いでしょう。
さらに、日本の美容サロンの魅力は何だと思いますか?といった質問に対しての一番多かった回答が、「清潔感・衛生的」で、全体の42.1%を占める結果となりました。
日本では当たり前とされている清潔感が、外国人旅行者の方にとっては大きな魅力とされていることから、日本人のお客様と外国人のお客様では魅力に感じられるポイントが異なることがよくわかります。
エステサロンで外国人旅行者を受け入れるメリットとは?
次に、エステサロンで外国人旅行者を受け入れるメリットについてみていきましょう。
集客の新たな活路を見出すことができる
エステサロン業界の市場規模は、国内では減少傾向にあるのが現状です。
競合のサロンや美容医療クリニックも多く、思う様に集客ができずに悩まれているサロン様も多いのではないでしょうか。
そんな中で、年々増加している外国人旅行者を受け入れることで、エステサロンの新たな集客につながる可能性があります。
また、外国人旅行者対策で多言語対応や環境を整備することができれば、在日外国人の集客も可能となります。
エステサロンの信頼性・安心感の向上
エステサロンで、多言語対応を行っていたり、様々な文化や考え方を持つお客様への配慮が行き届いているサロンは、外国人旅行者だけでなく、既存のお客様にとっても信頼感・安心感の向上につながります。
外国人旅行者の受け入れに伴い、エステサロン全体の体制を整えていくことで、すべてのお客様にとって信頼感や安心感のあるサロンに近づくことができるでしょう。
補助金が活用できる可能性がある
インバウンド対策を行う中で、補助金が利用できる可能性があります。
エステサロンで受けられる可能性のある補助金の例として、
【東京都】多様な体験型観光推進事業補助金
美容室等を運営する事業者が外国人旅行者を受け入れるため、新たなサービスの開始に必要となる経費の一部を補助します。
< 申請受付期間 > 令和7年4月1日(火)~令和7年12月26日(金)
< 補助対象者 > 都内で外国人旅行者に向けた美容を目的とするサービスを提供する事業者
< 補助率/補助限度額 > 3分の2以内/200万円
などがあります。
参考:東京都産業労働局
地域によって補助金制度の有無が異なるため、エステサロンのある地域が補助金の対象になっているか調べてみることをオススメします。
また、補助金の内容は毎年異なる場合も多いため、要項をしっかり確認しておくようにしましょう。
エステサロンで外国人旅行者を受け入れる際の課題
先ほどの章で、外国人旅行者を受け入れる際のメリットについてお話ししましたが、実際に外国人旅行者を受け入れるとなると、どのような課題が想定されるでしょうか。
一緒に見ていきましょう。

【課題①】コミュニケーションがうまくとれるか
外国人旅行者と聞いてまず最初に課題と感じるのは、言語の違いによりコミュニケーションがうまくとれるかといった点ではないでしょうか。
エステサロンでは、予約、カウンセリング、施術、会計など様々な部分でお客様とコミュニケーションを取る機会が多いです。
その際に、言語がわからずにうまくコミュニケーションがとれないと、施術に必要なヒアリングができずトラブルに発展してしまうリスクがあります。
【課題②】文化や宗教などの問題
外国人旅行者といっても、それぞれの国の文化や宗教上の問題で、特定の部位への施術ができなかったり、使用できない原料が化粧品やオイルに含まれていたりする可能性があります。
また、使用する化粧品やオイルの種類によって、アレルギー反応のリスクも考慮しなければいけません。
外国人旅行者の方に安心して施術を受けてもらえる体制を整えることが重要です。
【課題③】好みやニーズの違い
最初の章で、外国人旅行者は日本のエステサロンについて「清潔感・衛生的」な部分に魅力を感じていることがわかりました。
その結果からも、お客様の暮らしている国や地域によって、日本のエステサロンに求める好みやニーズが異なる可能性があります。
だからこそ、普段提供しているメニューや施術の内容を外国人旅行者の方にとっても魅力的な内容であるかどうか見直す必要があります。
【課題④】支払方法の問題
現在サロン様ではどのような支払方法に対応されていますか。
日本円での現金、クレジットカード、キャッシュレス決済など様々な種類があると思いますが、現金以外の外国旅行者の方が多く利用されている支払方法に対応できているかの確認をしておくことも大切です。
株式会社日本総合研究所による調査で、外国人旅行者が日本で利用した決済手段をみると、現金が94%と最も多く、次いでクレジットカードが70%、交通系ICカードが24%との結果となりました。
また、訪日外国人旅行者が旅行中に困ったこととして、クレジットカードやデビットカードが利用しにくい点が挙げられました。
そのことからも、現金以外の決済手段の需要があり、その中でもクレジットカードの利用率が高いことがわかります。
また、施術後のお支払いのタイミングで、お持ちの日本円が足りなかったり、普段利用されているクレジットカードが使えなかったりすると思わぬトラブルにつながる可能性もあります。
エステサロンで外国人旅行者受け入れ時の課題に対する対策
先ほどの章で、外国人旅行者を受け入れる際の課題についてお話ししましたが、こちらではその課題に対しての対策をお伝えしていきます。

【対策①】ホームページやメニュー、予約サイトの多言語対応
ホームページやサロンのメニューページ、予約ページなど、お客様がサロンを利用する際に閲覧、確認する項目について、多言語対応を行うことがポイントです。
まずは、英語や中国語など母語話者数が多い言語を中心に、多言語表記を進めていきましょう。
イラストや写真を利用して、視覚的に内容が伝わるように工夫することも方法の一つです。
また、利用している集客・予約サイトの多言語対応を確認しておくことも大切です。
外国人旅行者にとっては、サロンを探して予約を行うこともハードルの1つになりうるため、できる限りスムーズに予約を行えるように多言語対応の予約サイトを利用することもオススメです!
【対策②】文化や宗教についてリサーチ&丁寧にヒアリングしよう
文化や宗教によって、施術に配慮が必要な場合があることをお伝えしましたがその対策として、リサーチを行うことと丁寧なヒアリングを行うことが必要です。
事前に世界の文化や宗教による配慮すべき項目について、インターネット・本などでリサーチを行い、自分のサロンのメニューに関連するものがないか調べておきましょう。
さらにカウンセリングシートについて多言語対応のものを作成しておき、翻訳機能なども利用したうえで、できる限り丁寧にヒアリングを行いましょう。
アレルギーや宗教上の配慮すべき点について、お客様にきちんと確認を行いましょう。
【対策③】好みやニーズについてリサーチ&メニューのアレンジを行おう
外国人旅行者の好みやニーズについてリサーチを行うことは非常に重要です。
トレンドをつかみ、その内容に合わせて外国人旅行者の好みやニーズにマッチしたメニューにアレンジを行うことも大切です。
好みやニーズを知る方法の例として、
- SNSの投稿からトレンドを読み解く
- 旅行ガイド・ホテル検索サイトの人気の高いものを分析
- 国内競合サロンでインバウンド人気の高いメニューを分析
などがあげられます。
実際に外国人旅行者でエステサロンを利用してくださるお客様がいらっしゃった場合は、アンケートを行うことも大切です。
実際のお客様の声をもとにメニューを考案したり、サロン運営に活かしていきましょう。
【対策④】様々な支払方法に対応できるようにしよう
エステサロンで取り扱いのある支払方法が現金のみの場合や選択肢が少ない場合は、クレジットカード決済の導入を検討しましょう。
クレジットカードを導入する際は、国際的にシェアが高いブランドのカードの導入がオススメです。
対応可能なカードが少ない場合は、種類を増やすことも検討してみましょう。
決済方法の選択肢が増えることで国内の既存のお客様も含むすべてのお客様にとっても利便性が高くなるため、顧客満足度の向上につながります。
様々な決済手段がある場合、手持ちの現金以外でも支払いが可能になるため、施術オプションや物販などの購買意欲が高まるメリットもあります。
さらに、競合サロンとの差別化ポイントとしてアピールすることも可能です。
エステサロンの決済について詳しくは以下の記事で詳しく解説しておりますので、よろしければご覧ください。
【2025年版】エステサロンのクレジットカード決済完全ガイド 導入メリット・手数料・おすすめサービスを徹底解説
また、エステサロンのクレジット決済に関する資料のダウンロードが可能です。
こちらからダウンロードを行ってください↓

外国人旅行者の受け入れで集客の可能性を広げよう
外国人旅行者の受け入れ準備に伴い、どうしても手間や時間はかかってしまいますが、エステサロンの環境を整えることで、集客・売上アップの可能性がより広がります。
競合サロンの中には、インバウンド対応、多言語対応などを前面にアピールし、差別化を図っているサロンも存在します。
メニューのわかりやすさの向上や、決済方法の選択肢の増加などを通してエステサロンの環境がよくなることで、既存顧客の満足度向上にもつながります。
そのため、サロン業務の合間や作業ができるタイミングで少しずつ準備を進めていくようにしましょう。
忙しくて作業を行う時間が無いというサロン様には、日頃のサロン業務の業務改善を同時に行っていくこともオススメです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください↓
【サロン経営】今のやり方がベスト?時代は「もっとラクに、もっと便利に」へ進化中
正しく準備を行い、改善を続けることで、外国人旅行者との言葉の壁や文化の違いを乗り越える事が可能です。
外国人旅行者の受け入れにより、新たな集客の方法を確立していくことで、売上アップを目指しましょう!
まとめ
- 外国人旅行者から見た日本のサロンとは、「清潔感・衛生的」を魅力に感じている方が多く、日本の美容サロンを利用してみたいと思う方も50.2%と約2人に1人が興味がある状態です。
- エステサロンで外国人旅行者を受け入れるメリットは、集客の新たな活路を見出すこと、信頼性・安心感の向上、補助金が活用できる可能性がある事があげられます。
- エステサロンで外国人旅行者を受け入れる際の課題は主に4つあり、それぞれ対策を行うことが必要です。
- 外国人旅行者の受け入れ準備は時間や手間がかかる場合が多く、作業が出来るタイミングでコツコツ準備を行うか、エステサロンの業務全体を見直すことで、時間の捻出を行いましょう。
