役務(コース)やサブスクなどのメニューを導入されているサロン様は多いのではないでしょうか。
安定的な売上が見込めるメリットの一方で、役務やサブスクの取扱いにはお客様とサロンの契約が必要な場合があります。
その場合、法律を遵守した適切な書面作成が必要であり、エステサロンの経営において、「クーリングオフ」や「中途解約」は避けて通れないテーマです。
特に回数券やコース契約を扱う場合、
- 突然の解約申し出
- 返金トラブル
- クレームや口コミリスク
といった課題に直結します。
しかし実際には、正しい知識と仕組みを整えることで、これらの多くは未然に防ぐことが可能です。
本記事では、エステ経営者様向けに
- クーリングオフと中途解約の違い
- 法律(特商法)のポイント
- 実務での返金計算
- トラブル防止の具体策
まで、実務に落とし込める形で解説します。
もくじ
エステは「特定継続的役務提供」に該当する
まずはじめに、クーリングオフ、中途解約の対象となる契約についてみていきましょう。
エステサロンでクーリングオフ、中途解約が適用されるかどうかは、特定商取引法(特商法)という法律によって定められています。
特商法の目的は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守るために定められています。
主に訪問販売・電話勧誘、通信販売などの消費者トラブルが生じやすい取引が対象となっています。

通常エステサロンでは、
- 都度払い
- 役務(コース)
- サブスク
- 回数券 など
様々なメニューが存在します。
その中でも5万円超かつ1か月超のメニューの場合は、特定継続的役務提供の対象となり特商法を遵守した契約を結ぶ必要があります。

この条件を満たす場合、クーリングオフ・中途解約のルールが必ず適用されます。
エステサロンのクーリングオフ、中途解約とは?
クーリングオフと中途解約の内容についてそれぞれ確認していきましょう。

クーリング・オフとは?
クーリングオフとは、契約後でも一定期間内であれば無条件で解約できる制度です。
【クーリングオフの基本】
期間:契約書面受領から8日以内
条件:理由不要
返金:全額返金(違約金なし)
お客様からクーリングオフのお申し出があった場合、サロン側は一切の拒否ができません。
■経営者が注意すべきポイント
- 書面不備があると期間が延長される
- 説明不足でも対象になる可能性あり
- 商品(化粧品など)も対象になる場合あり
→所定の期間を過ぎていてもクーリングオフできる場合があるので、注意が必要です。
中途解約とは?
中途解約とは、クーリングオフの期間を過ぎてしまった場合でも、契約期間内であれば理由を問わず所定の費用を支払うことで解約が可能になる制度です。
【中途解約の基本】
対象:特商法対象契約
条件:理由不要
返金:支払済金額 −(消化分+解約手数料)
エステの中途解約の際には、支払い済みの代金から解約にかかる費用をマイナスし、差額分の返金を受けることが出来ます。
逆に、支払い済みの金額よりも解約にかかる費用の方が多い場合は、追加の支払いが必要となります。
■中途解約時の消費者負担上限額(エステサロンの場合)
- 施術前:最大2万円
- 施術後:「2万円」または「残額の10%」の低い方
→法律で上限が決まっています。
【重要】返金計算の実務例
中途解約の費用を例に当てはめて見ていきましょう。
【例1 フェイシャルエステ】
1回30,000✕10回コース=300,000円の契約
代金は契約時に全額お支払い済み
1回だけ施術して中途解約する場合
<中途解約費用計算方法>
1回30,000円✕1回施術で、300,000円-30,000円=270,000円(役務残額)
役務残額270,000円✕10%=27,000円となり
上限である20,000円より高くなってしまうため、20,000円が中途解約の費用となります。
<返金額>
300,000円(支払済代金)-30,000円(消化済み代金)=270,000円(役務残額)
返金額270,000円(残9回分)-解約費用20,000円(上限)=250,000円が返金対象になります。
【例2 痩身エステ】
1回30,000円✕10回コース=30,000円の契約
代金は契約時に全額お支払い済み
7回施術して中途解約する場合
<中途解約費用計算方法>
1回30,000円✕7回施術で、300,000円⁻210,000円=90,000円(役務残額)
役務残額90,000円✕10%=9,000円となり20,000円よりも低くなる為、
この場合は契約残額の10%に該当する金額の9,000円が中途解約の費用となります。
<返金額>
300,000円(支払済代金)⁻210,000(消化済み代金)=90,000円(残り3回分)
返金額90,000円ー解約費用9,000円=81,000円が返金対象になります。
以上が中途解約についての解約費用や返金額の計算例となります。
よくあるミス
- 割引前価格で計算してしまう
- 手数料を上限以上に設定
- 消化単価の算出ミス
こういったミスはクレームに直結します。
計算方法が複雑である為、解約費用の計算や返金を行う際は担当者同士や管理者によるダブルチェックを行ったり、返金額を自動で計算してくれるシステムの利用がオススメです。
なぜクーリングオフ、中途解約が起きるのか?
お客様がクーリング・オフや中途解約を希望する状況や理由もそれぞれ異なります。
クーリングオフ
- お客様が冷静に考え直したい場合
- 不意打ち的な勧誘や複雑な契約内容による誤解があった場合 など
中途解約
- 転勤や引っ越しなどサロンに通い続けることが出来なくなった場合
- コースの効果や内容に満足できなかった場合
- 接客などに不満があったり、トラブルが発生した場合 など
クーリングオフは、契約に対して冷静な判断が出来ておらず契約を白紙にしたい場合などに多く使われ、中途解約は、契約中の不備やトラブル等に起因して発生する可能性が多いことが分かります。
クーリングオフや中途解約を防ぐには?
集客から来店、クロージング、契約書面の作成などを経て、やっと獲得した契約を失うだけでなく、クーリングオフや中途解約の手続きにまで時間や手間が取られてしまうとなると、やりきれませんよね・・・。
また、近年では、契約・解約にまつわるトラブルも多く発生しています。
そんな事態や契約にまつわるトラブルを防ぎ、サロンを守るためにも、クーリング・オフや中途解約を防ぐ対策を行う必要があります。
クーリングオフ、中途解約を防ぐためのポイントや気をつけたいことについてみていきましょう。
クーリング・オフを防ぐためには?
クーリング・オフを防ぐためにエステサロンで出来る対策としてお客様に十分に説明を行い、理解・納得したうえで契約を結んでいただくことです。
具体的なポイントとしては、以下の2つがあげられます。
- その場の勢いで契約を行わず、お客様に考えていただく時間を確保する
- 概要書面での説明時にお客様に十分な説明を行い納得いただいてから契約をする
詳しく見ていきましょう。
お客様に考えていただく時間を確保
クーリング・オフの原因として多いのが、お客様がサロンスタッフからの強いオススメを断り切れなかったり、その場の勢いで契約をしてしまったというケースです。
これを防ぐためには、
- 即決を促しすぎない
- 一度持ち帰って検討してもらう選択肢を提示する
- メリットだけでなく注意点も伝える
といった対応が重要です。
「納得して契約してもらうこと」が、最もシンプルで効果的な解約防止策です。
書面・契約の整備
契約トラブルの多くは、「聞いていない」「知らなかった」という認識のズレから発生します。
そのため、以下のポイントを徹底しましょう。
- 回数・金額・有効期限を明確に記載
- 解約条件・返金ルールを事前に説明
- 契約書・概要書面を正しく交付
書面に不備があると、クーリングオフ期間の延長や契約無効のリスクにもつながります。
契約後のフォローを強化する
契約直後〜初期段階は、解約が最も発生しやすいタイミングです。
この期間に
- 不安が解消されていない
- 効果を実感できていない
- 通い続けるイメージが持てない
と、中途解約につながりやすくなります。
対策としては、
- 初回来店後のフォロー連絡
- 状態や不安のヒアリング
- 小さな変化や成果の共有
などが有効です。
「契約して終わり」ではなく、その後の関係づくりが解約防止のカギになります。
クーリングオフ、中途解約の注意ポイント
クーリング・オフ、中途解約で、どちらにも共通して気をつけなければいけないこともあります。
それは、概要書面・契約書面について正しい知識を身に着け、特商法を遵守した正しい運用を心掛けることです。
もし、書面に不備があった場合、契約自体が無効となってしまい、コースを全て消化した後でも代金の全額返金が必要となってしまうケースも存在します。
また、正しい運用が出来ておらず、悪質と判断されてしまった場合は、行政処分等の罰則に発展してしまう可能性もあります。
特商法は法律である為、「知らなかった」では済まされない事態につながる危険性があります。
契約トラブルを防止しサロンを守るためにも、今一度概要書面や契約書面に書かれている内容について、確認してみましょう。

記載項目は特定商取引法によって定められています。
詳しくは、特定商取引法ガイドをご確認ください。
【項目例】
お客様情報…お名前、住所など
契約内容…契約コース・契約日・契約期間
関連商品…商品名、種類、数量、1個あたりの料金、総額など
お支払い金額…消費税、総額
支払い方法、時期…支払方法、支払い予定日など
サロン情報…会社名、代表者名、担当者名、店舗名、店舗住所、店舗電話番号など
契約解除事項…クーリング・オフ、中途解約について
契約日、署名…お客様との契約日・契約者の署名など
現在お使いの概要書面や契約書面について、不備が無いか確認しておくことをオススメします。
また、特商法には法改正もあります。
法改正があると、改正された内容を理解・共有し、契約書面などのアップデートを行うことが必要です。
しかし、エステサロンのスタッフが専門ではない法律を学んだり、法改正に対応するのは中々、難しいですよね、、、
法律の専門家やコンサルタントに相談・依頼するにも、手間や大きな費用がかかることも気になる・・・という方もいらっしゃるかと思います。
そんな方にオススメなのが、特商法に対応した電子契約書作成システム「けいやくん」です!
特商法に対応した契約書・解約対応はけいやくんにおまかせ!
クーリング・オフや中途解約にまつわるトラブルを避けたい!
しかし、エステサロンスタッフには法律の専門家ではないため、正しい対応が出来ているか不安ですよね、、、。
そんなサロン様にオススメなのが、特商法に対応した電子契約書作成システム、けいやくんです。
けいやくんを利用すれば、
- 特商法を遵守した契約書面が簡単に作成可能
- クーリング・オフ、中途解約どちらの書面も簡単作成
- 中途解約時の返金額も自動で計算
- 法改正にも無料で対応・アップデート など
嬉しい機能で、サロンの契約をサポートします。

特商法について詳しくなくても、クーリング・オフや中途解約の対応に慣れていないスタッフでも、システムに沿って入力するだけで、簡単に法律に基づいた書類作成が可能です!
もちろん、法改正があってもシステムが自動でアップデートされるので、法改正を気にして、弁護士に相談したり、新しいフォーマットの用紙を購入したり・・・などの手間はかかりません。
さらに、複雑な中途解約時の返金額の計算も、システムが自動で計算してくれます!
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